マイナスイメージが多いが「あえて」派遣を選ぶ人たち

一般的に派遣社員にはマイナスのイメージを持つ方が多いようです。就職に失敗した、転職に失敗した、リストラされた…などの理由から仕方なく派遣社員になった方が多いと言われています。ですが近年、「あえて」派遣社員になった方が増えているそうです。彼らはなぜ派遣を選んだのでしょうか?

派遣社員のデメリットとして真っ先に挙げられるものが「不安定さ」です。派遣先企業の意向によって簡単にクビにされてしまう存在。それが派遣社員です。一方、正社員であれば、少しくらいミスをしたところでクビにされることはまず無いでしょう。一度職を失うと再就職するのは簡単ではない。収入が無いと困る。だから出来る限り安定的な正社員を目指そう…。これが大勢の思考回路です。しかしながら、一部の人々はそんな正社員を避け、あえて派遣を選ぶのです。
彼らがあえて派遣社員を選ぶ理由として一番大きいのは「派遣は融通が利く」という点です。具体的な例を出せば、「子育ての都合から、臨時で休暇が取れるようにしたい」「残業はなるべくせず、定時に帰宅し、残りの時間を趣味に費やしたい」「正社員だと巻き込まれてしまうかもしれない厄介な人間関係を避けたい」「派遣だと未経験からでも働けるので、そこで仕事の経験を積んで将来に活かしたい」「派遣で働きつつ副業にもチャレンジしたい」などの理由が挙げられます。彼らは自身の都合に適した勤務スタイルを模索した結果、正社員ではなく派遣社員という道を選択したのです。

一昔前だと「仕事にすべてを賭けろ!」といった風潮が社会に蔓延していたように感じます。残業は当たり前。終電ギリギリまで働き続ける…。そんな時代があったのです。
しかし、いまではそんな風潮も減退し、「仕事と私生活のバランス」を重視する人が増えてきています。「そもそもなぜ人は働くのか。それは生きるためである。生きるために仕事をするのだ。仕事をするために生きるのではない…。」このような考えが普及しつつあるのです。ひょっとすると一部の「古風な」大人たちからは「これだからゆとり世代はダメなんだ…」なんて言われてしまうかもしれませんが、そんな意見はもはや的外れです。

あえて派遣を選んだ人々の多くは、仕事と私生活のバランスを重視し、融通の利く派遣というスタイルを選ぶに至っています。みなさんも「なんのために働いているのか」を自分自身に問いかけ、現状のままでよいのか考え直してみてはいかがでしょうか。